📮KURUME LETTER
【教員紹介】右田 孝志 教授(人間健康学部 スポーツ医科学科)
自己紹介 右田 孝志(人間健康学部 スポーツ医科学科)
スポーツ医科学科の右田 孝志(みぎたたかし)です。
もともと長距離ランナーで、長距離選手のパフォーマンスに関する研究をしてきました。大学院博士の学位を高強度運動時の酸素摂取動態に関する研究で取得し、現在は、長距離走のペース変化時の酸素摂取動態に関する研究を行っています。
私が長距離走に取り組み始めたのは中学からです。熱心に指導される先生との出会いがきっかけで、中学高校と陸上を続け、高校3年生の春には何となく「走るってこんな感じなんだ」という感覚をつかみ始めた気がしました。大学1年目の夏にスランプに苦しみましたが陸上を続け、身体のこと、運動能力についてもっと専門的な勉強をしたいと思い、大学院の体育学研究科へ進学、そして現在の職業へと進みました。
その陸上人生では、さまざまな恩師、素晴らしい仲間、先輩、後輩と出会い、そんな中で精一杯走れたことは宝物でしたが、その陸上を大学院進学とともに自ら諦めたことには、今でも後悔の思いがあります。それだけ大学院での勉強は厳しかったということでもありますが、走ることを諦めたのは「諦めるくらい一生懸命取り組んでいる」という自分への言い訳だった気がします。
実際、ほんの1時間や2時間、自由にできる時間がなかったわけではないと思いますし、そこで考えるべきは、時間、努力の配分であって、「如何に上手く、効率よく行うか」ということだったのだと今になって思います。
受験生や学生の皆さんには、将来後悔しないためにも、時間を大切に過ごして、本当に好きなことは、あきらめずに続けてほしいと思います。
担当科目について
主に「運動生理学」に関する科目を担当しています。
- 発育発達論
- 運動生理学
- 運動生理学実習
- 基礎スポーツ医科学(身体の構造と機能)
- 健康文化特講
運動生理学は、運動に対する身体の応答特性を主に学ぶもので、運動生理学実習では、その応答特性をランニングマシンや自転車エルゴメータなどを使ってデータとして測定・分析します。運動による変化には、運動強度に依存した呼吸循環系の亢進といった一過性の反応や、トレーニングなど継続した結果による機能更新といった変化などさまざまなものがあり、それらを学ぶものです。
また、スポーツ医科学科で重要な知識となる「身体の構造と機能」について学ぶ「からだのしくみ」、「基礎スポーツ医科学」も他の専門の先生と一緒に教えています。
専門分野:体育学
研究テーマ (参考:研究者紹介ページ)
- 運動時の酸素摂取動態に関する研究
- 持久的競技能力に関する研究
- 長距離走の戦術としてのペース変化に対する生体応答特性に関する研究
当学科には、主に運動に関連する医学分野として整形外科、循環器の教授陣も名を連ねており、医師でもある教員から直接医学に関する専門知識を学び深めることができることは、「文医融合」の教育を掲げる当学科の強みでもあります。
整形外科分野
副島 崇 教授「運動器系の疾患の治療、スポーツ医学」
循環器分野
吉田 典子 教授「循環系医学、予防医学一般、リハビリテーション、産業衛生,産業災害」
榎本 美佳 教授「循環系医学、疫学」
ゼミ(運動生理学研究室)の活動について
ゼミでは、基本的に興味のあることをテーマに論文制作に取り組んでもらっています。
部活などでスポーツを経験した学生さんが多く、その競技のなかで湧いた疑問などをテーマにすることが多いです。その疑問を基に仮説をたて、その検証のために実験を計画し、得られた測定データを使って自分の考えていることを証明することが主となります。
卒業生の研究テーマ例
- 声量の違いによるシャウト効果に関する研究
- ヒール歩行時の下肢筋活動に関する研究
- スローインの飛距離と肩関節の柔軟性
- 事前のジャンプ動作がその後の反応時間に及ぼす影響
研究を実証するには、いろいろなやり方がありますが、重要なのは、自身で仮説を立て考える、自由な発想やアイデアです。たとえ仮説どおりではない結果となっても、それをもとにいろいろな考察をして、研究すること、学ぶことを楽しんでほしいと思っています。
受験生へのメッセージ
最近は高校でも、自ら課題を設定し、課題解決に取り組む「探求学習」というものがあるように、早い時期から探究的な見方や、横断的・総合的な学習を行うようになってきました。
大学ではそれを発展させ、学んだことをどう活用するかということを自身で考え、それを生かすことが重要になりますし、実際に社会をフィールドとして行動する機会も学びとして用意されています。そうやって、いろいろなことを「学ぶ」ことの楽しさを大学では是非感じてほしいです。久留米大学で一緒に楽しく学びましょう。
好きなもの、はまっているものなど
子どもがサッカーをするので、一緒にサッカーをしたり、サガン鳥栖の試合を見に行ったりするのが楽しみです。負けたときにはあまり見たくないですが、勝った時にはYouTubeでリプレイを何度も見て盛り上がっています(笑)