📮KURUME LETTER

【教員インタビュー】鍋谷照教授(総合子ども学科)
🧑‍🏫教職員

【教員インタビュー】鍋谷照教授(総合子ども学科)

大学で新しい自分を発見しよう

先生の専門分野または研究テーマについて教えてください

専門は「体育学」「健康学」で、授業では「幼児体育」などを担当しています。もともと人の運動能力の向上過程に興味があり、体育学の研究をしていたのですが、静岡で大学の教員をしていた時、幼児体育の授業を担当することになり、幼児期の発育・発達についても研究を始めました。子どもが体の成長と共にできることが増えていく過程はとにかく面白い!これがきっかけとなり、JAICAとNPO法人のパートナーシッププログラムでカンボジアの小学校の指導要領作成に関わったりもしました。

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大学の先生になられたきっかけは

最初は体育の先生になりたくて体育系の大学に進学、卒業後はスポーツメーカに就職しました。学校などに行き、スポーツ用品の説明・販売をするうちに、もっとスポーツに関する知識を増やしたいと思うようになりました。そこで、仕事を辞め、大学院に進学し、教員になりました。

幼児教育とスポーツとのつながりは

子どもたちにスポーツを教えるのは難しい。けれど、遊びの中で自然とスポーツの基礎となるものを身に付けさせることはできます。たとえば、鬼ごっこ。子どもたちは鬼に捕まらないように逃げながらも、鬼の動きを読んで方向を変えます。これはスポーツのフェイントと全く同じ動きです。フェイントは自分自身の体軸をずらしながらステップを踏んで方向を変えます。学生たちには、このことを理解したうえで、遊びの中にもねらいを持って子どもたちに鬼ごっこをさせてほしいのです。久留米大学の人間健康学部は、総合子ども学科とスポーツ医科学科で構成されています。スポーツの視点と併せて幼児教育の勉強ができるのも、本学ならではだと思います。

幼児体育で重要なことは

近頃の子どもたちは栄養状態がよく、体の成長は早くなっていますが、25メートル走でまっすぐに走れないなど、自分の体を制御できない子どもが増えています。この問題を解決するためには、幼児期に体の基盤を作ってあげることや制御する方法を教えてあげることが大事です。子どもの頃に運動に対する苦手意識ができると、体育が嫌いになります。けれど、体の使い方をちゃんと教えてあげることができれば、運動能力は向上し、その成功体験が運動を好きにさせます。学生の皆さんには、子どもたちが体育嫌いにならずに小学校へ上がれるための指導方法を学んでほしいと思っています。また、誰かと比べるのではなく、個々の成長に気づき、できるようになったことを褒めてあげる。それは子どもたちのメンタルヘルスにもつながると思います。

先生の子どもの頃や学生時代について

子どもの頃はやんちゃでした。中学でテニスを始めましたが、試合に勝つことが楽しくなり、「もっと上手くなるためにはどうしたらよいか」と練習に没頭しました。おかげで、横道にそれずに済んだ気がします(笑)

休みの日は何をされていますか

読書が好きで、よく本を読んでいます。ジャンルは特に問いませんが、カンボジアに行ってからは経済の本などにも興味を持つようになりました。運動は、日常的にジョギングをしています。

高校生のみなさんにメッセージをお願いします

人は常に変わっていきます。固定観念にとらわれず、いろんなことにチャレンジし、興味を持ったことに没頭してみると、進むべき道が見えてくると思います。新しい自分を探せるよう頑張りましょう。