📮KURUME LETTER
【教員コラム】行實鉄平(人間健康部 スポーツ医科学科)
スポーツ医科学科の行實鉄平(ゆきざね てっぺい)と申します。
さて、まず私の自己紹介ですが、福岡県出身で、スポーツ種目は水泳(競泳)を3歳から大学までやってきました。学生時代は全国大会(インターハイ、インカレ)にも出場しましたが、実は私が入った高校には水泳部がなく、大会出場にはとても苦労しました。そのとき、いくらスポーツ技術があっても、スポーツ競技をやるには環境が大事だなと痛感しました。また、大学では晴れて水泳部に入り、練習に明け暮れる充実した毎日を過ごしましたが、3年生の時に国公立大学での全国大会の幹事校として大会運営を行う経験をしました。そこでは、開催資金を集めるため、プログラムに広告を載せる条件で地元商店街に協賛金を募るなど必死の努力をして、みんなの力で全国大会の運営を成功させることができました。スポーツには様々な人のささえやいろんなパワーが必要だなとこのような経験や人との出会いから学びました。そして、スポーツのよりよい環境整備に取り組むには「スポーツマネジメント」という機能(取り組み)が今後はもっと大切になると考え、競技者からやがてこの学問を学ぶ道に進みました。
次に、私の担当科目ですが、スポーツ医科学科で、スポーツ指導者を目指す学生に「スポーツ経営学」や「スポーツ産業論」といった授業科目を担当しています。皆さんは、経営学ときくと「企業の利潤追求のための学問」というイメージから、「スポーツ経営学」をスポーツ組織の利潤追求のための学問としてイメージしがちですが、そうではありません。上に書いたように競技者をはじめ、子どもや高齢者、障がい者などにもスポーツが身近な活動として取り組んでもらえるための環境をどのように作っていくのかを考える学問なのです。また、現在、スポーツは産業としても発展が目覚ましい領域となってきました。つまり、スポーツに携わる仕事が広がってきているということです。これからのスポーツ指導者は、スポーツの技術指導だけでなく、環境整備(マネジメント)も考えることのできる知識と経験を有することが必要になってきているのです。
最後に、スポーツ医科学科では、医学的知識を備えたスポーツ指導者(トレーナー、体育教員など)の育成を柱に据えていますが、それ以外にも、例えば、スポーツ用品メーカー、スポーツ代理人、プロスポーツチームのフロントなど、スポーツ産業を担う新しい分野で活躍できる学生が集い学べる場にできればと思っています。