📮KURUME LETTER
「防災コンセンサスゲーム」を通じて情報活用力を磨く — 情報社会学科1年生対象の教養演習Ⅱ
10月23日、久留米大学文学部情報社会学科1年生を対象とした「教養演習Ⅱ」(担当:伊藤慈晃助教)の授業において、NASAで導入されている「コンセンサスゲーム」を応用したシナリオ型の課題が実施されました。
この日、学生たちは市役所の職員として、災害発生時に限られたリソースの中でどのように住民に物資を配分し、安全を確保するかという難題に挑戦しました。学生たちは、架空の災害シナリオの中で多くの情報を集め、それらを適切に解釈し、住民の命を守るために物資をどのように配分すべきかをチームで話し合いながら決定しました。異なる意見を取りまとめ、最善の結論を導き出すためには、情報を的確に評価し、活用する力が求められます。
現代社会では、情報の洪水の中で何が本当に重要で信頼できるかを見極める力が不可欠です。特に災害時のように、時間が限られた緊急事態では、収集した情報を迅速に整理し、正しい意思決定を行うことが求められます。今回の授業では、実際に災害時のリソース配分の決定をシミュレーションすることで、こうしたスキルを鍛えることができました。
情報社会学科では、単なる情報処理技術の習得にとどまらず、情報が社会や人々に与える影響を深く理解し、実際の問題解決に活かすための探究力を育むことを目的としています。今回の授業は、その一環として、情報を効果的に活用する力や、チームでの合意形成能力を鍛えるための実践的な学びとなりました。
参加した学生からは「災害発生時の市役所職員としてゲームを体験することで判断の難しさを知ることができました。実際の市役所職員の方々はさらに複雑になる状況に迅速に対応してるのかと思うと驚きました。」「市役所の人になりきって考えるということは臨場感があって楽しかったです。防災ゲームについて、グループで話し合うことで個人では考えつくことができないような考え方を知ることができた点が面白く感じました。」というような感想が寄せられました。
久留米大学文学部情報社会学科では、今後もこうした実践的な学びを通じて、学生たちが社会で活躍できる力を養成していきます。