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法学特殊講義で経済学部の学生が「八女市の伝統工芸とアートの可能性」をテーマに発表
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法学特殊講義で経済学部の学生が「八女市の伝統工芸とアートの可能性」をテーマに発表

7月25日、法学部で地域連携活動について学ぶ「法学特殊講義(地域連携と絣フェスタ24)」(担当:前田俊文教授)が開催され、経済学部の岩本洋一ゼミの3年生が行ってきた八女市を中心とする伝統工芸に関する調査の発表が行われました。この講義は法学部生と経済学部生が履修することができ、文化によるまちづくりをテーマとする研究を行っている岩本ゼミ生の研究発表も毎年行われています。

この日は、八女市から市役所や仏壇仏具協同組合、商工会議所の関係者、福岡県立福島高校から探求学習の一環で8名の生徒が授業を見学されました。

経済学部の学生は、「伝統工芸とアート・デザインの可能性」と題し、これまで調査してきた八女市を中心とする筑後地域の伝統工芸について発表、各グループが八女手すき和紙、八女提灯、久留米絣、八女福島仏壇などの歴史や製造工程、産地の変遷について調べた上で、注目される職人やアーティストへの取材をもとに価値づけのアイデアを提案しました。

発表では、「地方の伝統産業が生き残るためには、その価値を見直し提案していく必要がある」「モノの背景や歴史は物語であり、それを含めてモノの価値となる。アートやデザインを通して伝統工芸品の物語性を表現することも重要」「SNS(ネット)での情報発信と工場見学、産地ツアーなどの体験(リアル)を融合させることが必要」といった見解が伝えられました。

発表する岩本ゼミの学生
発表する岩本ゼミの学生
探求授業の一環で福島高校の生徒が見学
探求授業の一環で福島高校の生徒が見学

発表を受け、八女市の関係者の皆さまから「八女のブランド力、伝統工芸を残していくためには常に新しい価値を見出すことが大切」「地域の伝統工芸をアートという側面から発表されるのを聞き、大きな可能性を感じた」「今後も研究を続けていってほしい」と期待を込めたコメントが寄せられ、参加した高校生からは「高校よりも深掘りした内容で面白かった」「商品開発の取り組み方や地域発展に貢献するヒントを得られた」といった感想が聞かれました。

コメントする八女市の関係者の皆さま
コメントする八女市の関係者の皆さま
コメントする八女市の関係者

授業を担当した前田教授は、「大学のサービスラーニングは地域貢献しながら学生が学びを深めるという特色がある。学生が地域と深く関わることで地域の産業の活性化や発展につながることを願っている。今回の発表も大学が起点となって、産学官が連携していく好事例。この講義では座学とは違い、関係者が同じ教室に集い、結論を決めずにさまざまな交流をすることで新しいものが生まれ、次の新たな取り組みやイノベーションにつながっていくことを期待している」と大学が取り組む地域連携活動の意義を総括しました。

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