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教育に活力を創生する「学内教職員向けコーチング講座EMACS」を開催
📝学び

教育に活力を創生する「学内教職員向けコーチング講座EMACS」を開催

「コーチング支援研究」で示される学生の内面的成長

本学では、2022年度の医師国家試験(新卒)のほか、看護師・保健師、臨床検査技師(新卒)、精神保健福祉士(新卒)など、5つの国家試験において合格率100%を達成しました。

その医学部の教育は、学生のサポートに留まらず医学教育を科学的に分析し、教育環境の改善などに取り組む「医学教育研究センター」など、さまざまな組織における教育改革が支えています。

医学部では、2016年より保健管理センターの安川秀雄教授を研究代表者として、6年生の留年生に対するコーチング支援研究(承認研究番号18293)が行われ、メンタルコーチによる継続的な個別コーチングによって、成績が不振な医学生の心の状態と成績が改善することが明らかにされています。これまでにそのコーチングの支援を受け卒業し医師になっており、この研究が示す重要なことは、単に学生の成績が上昇するだけではなく、学生の内面的な成長がみられることです。

「学内教職員向けコーチング講座EMACS」開講の背景と目的

日本のビジネス領域において、コーチングは自律支援や内発的動機づけ、コミュニケーション能力向上のための教育指導法として一般的になっていますが、医学教育や医療において、コーチングを身に付けている医師や教職員は極少数です。一方、コーチング発祥の地である米国では、アメリカ医師会が主導して、医師の卒前卒後教育にコーチングを積極的に取り入れる動きが急速に広がっています。本学では、准教授・講師会の夏季講演会において、石竹達也医学部長が「教職員と学生間のコミュニケーションを充実させ活力を創出する」ことをビジョンとして示し、学内教職員向けコーチング講座EMACS (Educational and Medical Aid Coaching System)の案内がなされました。

准教授・講師会(准講会)で講演する石竹医学部長
准教授・講師会(准講会)で講演する石竹医学部長
風通しのよい組織づくりを目指し、准講会の講演会や懇親会には理事長や学長、病院長等も参加
風通しのよい組織づくりを目指し、准講会の講演会や懇親会には理事長や学長、病院長等も参加

EMACSのプログラム

EMACSは、抑うつや不安に対しても効果が高いメンタルヘルス系コーチングを学ぶ講座で、医療・教育現場において、医療者や教職員が活き活きとした心の状態で高いパフォーマンスを発揮することを支援するシステムです。学内の教職員がコーチングを学びコーチ的な関わり方を身に付けることによって、教職員の教育力が向上し、学生の学びや成長を最大限に支援できるようになると同時に、教職員と学生とのコミュニケーションが好転し、信頼関係が構築され、教育現場に活力が創出されるものと期待されています。

本講座では、一般社団法人エフェクティブコーチング協会代表理事で公認心理師の川本義巳先生を講師にお招きし、17名の教員(教授4名、准教授8名、講師5名)と事務職員3名が参加し、9月からオンライン講義(90分×16回)と学内実習(週末4日間)が8ヶ月間をかけて行われています。

講義する川本氏
講義する川本氏
真剣に講義を聴く参加者
真剣に講義を聴く参加者

講座前半を振り返っての実習

2024年1月13日と14日、筑水会館小会議室において、前半の講義内容を振り返る実習が行われました。実習では、自己基盤を作り自己受容を高めるためのエクササイズ、信頼関係を形成するためのスキルとスポンサーシップメッセージ、傾聴と観察・質問と動機づけのコミュニケーションなどをワーク形式で実践的に学びました。実習はとても和やかな雰囲気で、教職員が真剣に活き活きと参加していました。参加者からは、「講義で学んだことを身体で感じ取ることができた」、「傾聴するときの聞き手のスポンサーメッセージの大切さを学んだ」、「承認されることで気持ちが高まることを実感したので、積極的に相手を承認したい」などの感想が聞かれました。

2日間の実習を振り返り、相手の良いところを積極的に伝える承認のワークの様子
2日間の実習を振り返り、相手の良いところを積極的に伝える承認のワークの様子
和やかな雰囲気で進むワークショップの様子
和やかな雰囲気で進むワークショップの様子

学内教職員向けコーチング講座EMACSは、間もなく2期の20名の募集が開始される予定です。コーチ的な関わりができる教職員が増えていくことによって、医療と教育の現場が活気あるものとなっていくことが期待されます。

前列中央の川本氏を囲んで(左:石竹医学部長、右:安川教授)
前列中央の川本氏を囲んで(左:石竹医学部長、右:安川教授)