📮KURUME LETTER
知的財産セミナーを開催
11月15日、文学部情報社会学科の「コミュニケーション演習」(江藤智佐子教授担当)において、外部講師を招いた「知的財産基礎セミナー」が行われました。
今回のセミナーでは、INPIT(インピット)福岡県知財総合支援窓口の亀井英徳氏を講師に招き、知的財産の定義、必要性、種類や特徴など知財に関する基本的なことからご説明いただきました。その後は産業財産権情報を検索する特許情報のプラットホームJ-PlatPat(ジェイプラットパット)を使用して商標の検索方法をレクチャーしていただき、学生は自分のスマートフォンを使って指定されたキャラクターの登録を確かめるワークを行いました。
亀井氏は著作権について具体例を挙げながら説明し、知的財産権が私たちの日常生活にどれだけ身近に存在しているかを分かりやすく示されました。
情報社会学科では、複数の課題解決型の授業でプロジェクトマネジメント能力を学ぶ機会が提供されています。例えば、昨年は医療センターと連携して「ほとめきプロジェクト実習演習」が行われ、学生たちは栄養室の活動をPRするためのキャラクターを制作しました。この経験が、実践的な知的財産に関する知識の重要性を浮き彫りにし、それが今年も同様のセミナー開催のきっかけとなりました(昨年の様子)。
本学では研究推進戦略センターが、発明や特許に関する相談、知的財産の管理・教育・啓蒙活動、そして学内外との連携を行っています。その一環として、「ほとめきプロジェクト実習演習」で生み出されたキャラクターについて、現在商標登録の手続きが進行中です。
参加した学生たちからは、『動画に音楽を付けてSNSに投稿するのは問題ないと思っていたけれど、実際は権利を侵害している可能性があることに気づき、今後は慎重にならなければいけないと感じました』という声が出ました。また、『ゼミの発表やプレゼンでも、引用元を明確に示すように言われていましたが、今日の話を聞いてさらに細心の注意が必要だと感じました』という意見もありました。さらに、『実際に検索をしてみると、膨大な数のキャラクターが登録されていることが分かりました。権利を守るために必要な知識を身につけられたことが良かったです』という感想もありました。
商標はしばしば「もの言わぬセールスマン」と形容され、商品やサービスのイメージを形成する上で重要な役割を果たしています。商品やサービスに関連付けられる「マーク」や「ネーミング」を守るための権利が、「商標権」と呼ばれる知的財産権です。知的財産は私たちの身近に多く存在していますが、その実態について知られていないことが多くあります。学生たちはビジネス現場での実践を通じて、新たな洞察を得る貴重な機会となりました。