📮KURUME LETTER
学生サークルteam.csvがうきは市に「小中学生向けIT起業家マインド育成支援活動」を提案
商学部商学科の木下和也教授が指導する学生ボランティアサークルteam.csvが6月24日、うきは市役所で髙木典雄市長と重松邦英副市長に「小中学生向けIT起業家マインド育成支援活動」を提案しました。
※team.csvの名前の由来は、「コンピュータ(computer)」「サイエンス(science)」「ボランティア(volunteer)」で、コンピュータサイエンスを活用したボランティア活動を行っています。
この日、9名の学生がうきは市役所を訪れ、庁舎2階の庁議室で「若者の地元回帰と定着をねらった小中学生向けIT起業家マインド育成支援活動」というタイトルの企画書を市長及び副市長に提出し、プレゼンを行いました。
企画内容は短期的な目標と長期的な目標に分けて提案され、短期的には小中学生にSTEAM教育、特にコンピュータサイエンス分野とビジネスプラン分野を楽しく学ぶ機会を作り、IT起業への興味を持ってもらうための具体策を提示しました。長期的には、これらの機会を通じて起業家マインドを身に付けた児童・生徒が就職や大学進学を契機に地元を離れても、将来地元に戻ってIT企業を設立し、そこで新たな雇用が創出される好循環を作ることで、若者の人口流出対策につなげるというビジョンを提示しました。
この構想の根幹には、誰もが子どものころに住んだ地域に愛着があることと、IT、ICTを活用したビジネスは頭脳集約型の産業であり、原材料の調達や生産がないため事業所の場所を選ばず、テレワークにも適しており、過疎地であっても起業しやすいはずであるとの思惑があります。
計画では、team.csvの学生が地域の公民館で小中学生に「IT起業家マインド育成講座」と称した様々なイベントを開催します。その際に必要な教材やアプリ等の開発も行います。その教材開発や講座の内容については、ベンチャー起業家、税理士、金融機関といった専門家集団からサポートを受けます。
この活動が持続可能なものとなるには、同じ志をもった個人や団体が増えていかなければなりません。そのためteam.csvがその第一歩を踏み出し、仲間を増やし協力関係を維持することで長期的な活動を目指します。
提案を聞いた髙木市長は「コロナ禍で働き方や暮らし方が大きく変化した。将来のうきは市を担う小中学生に向けた時宜を得たありがたいプロジェクトである」と歓迎しました。また重松副市長は「ぜひやって欲しい。政府がやろうとしてもなかなか進まなかったテーマではあるが、背景にある問題を考えて取り組んで欲しい」とエールを送りました。
今回のリーダーを務めた樋口理菜さん(商学科4年)は、「私達の計画が伝わるように!と思ってプレゼンした。私は宮崎県出身だが、地元に対する思いをうきは市に置き換えて考えた。課題も見つかったので、みんなで計画を練り直して実現できるようにしたい」と話しました。
また、うきは市出身の佐々木隆さん(商学科3年)は、「市長と副市長に直接プレゼンできるということで、とても緊張して顔を上げられず、資料を見ながらの発表になってしまった。卒業後は、大好きな地元うきは市に戻って、子どもたちにうきは市でも楽しいことができるということを伝えたい」と話しました。
team.csvの活動がやりたくて本学に入学したという荒牧慧至さん(商学科2年)は、「初めてのプレゼンでいい経験になった。自分たちの思いを伝えることに精一杯で、質問に対して十分に答えられなかったのが反省点。商学とプログラミング、両方を学べるのが久留米大学商学部のいいところ。今後はITと農業など、ITと何かを組み合わせてできることを考えたい」と意気込みました。
今回の提案で、8月11日にうきは市「るり色ふるさと館」で最初のイベントを開催することが決定しました。「不思議な数字の法則」と題して、プログラミング的思考を楽しく体験できる講座を実施する予定です。