📮KURUME LETTER
学生サークルteam.csvが福岡市で親子で学ぶ一日大学生体験講座「楽しいコンピュータ・サイエンス」を開催
商学部商学科の木下和也教授が指導する学生ボランティアサークルteam.csvが5月22日、福岡市中央区にある久留米大学福岡サテライトで、小学6年生から中学生を対象に、親子で学ぶ一日大学生体験講座「楽しいコンピュータ・サイエンス」を開催しました。今回は、2月に福岡市南区の東若久公民館で行われた学習会に参加した親子の他、西日本新聞の「こども記者」たちが取材を兼ねて参加しました。
※team.csvの名前の由来は、「コンピュータ(computer)」「サイエンス(science)」「ボランティア(volunteer)」で、コンピュータサイエンスを活用したボランティア活動を行っています。
通常であれば高校や大学の数学の知識がないと理解できないアルゴリズム(プログラミングの考え方)を、小学生にも分かりやすく楽しく学んでもらおうと、学生たちが教材や進行を工夫し、好奇心を揺さぶる不思議で楽しい子ども向けの内容に仕上げました。
午前の部では、100面サイコロを使って円周率を求める方法を学びました。これは、モンテカルロ・シミュレーションと呼ばれる確率現象を利用した近似計算と、そのアルゴリズムを学ぶもので、模造紙に描かれた1辺1メートルの正方形とその中に描かれた4分の1円を対象にして、100面サイコロを振ることで最終的に円周率を近似するという実験です。学生が事前に大学で撮影した実験動画で手順を説明した後、実際に子どもたちと一緒に円周率を求めました。
午後の部では、円周率を使わずに円の面積を求める方法を学びました。これは、定積分を近似するための「台形公式」と呼ばれるアルゴリズムの典型的な演習課題を用いたもので、小学生レベルでも理解できるように、図やグラフを交えながら丁寧に説明を行いました。学生は子どもたちと一緒に、電卓を使って台形と三角形の面積を求めました。
また、本来ならば時間を要する実験や計算も、一連の手順をプログラムすればパソコン上では一瞬にして結果がわかることを実際に見せて、アルゴリズムの理解とプログラミングへの関心を深めてもらいました。
参加した子どもたちは「最初は難しそうだと思ったけど、小学校で学んだことの応用でできることが分かって楽しかった」「円周率を使わずに円の面積を求められることを知らなかった。新しいことを知ることができて勉強になった」「プログラミングできれいに計算されていくところが面白かった」「説明がとても上手で分かりやすかった。大学生のお兄さんが面白かった。またあったら参加したい」と感想を述べました。
商学部4年の金子雅依さんは「前回はオンラインだったが、今回のように子どもたちと対面でやると、コミュニケーションが取りやすく、反応もあって楽しい。大学では今、卒業研究で、学内での落とし物情報をWeb上で見られるシステムを作っている。将来は、統計学で学んだ数値分析の知識や木下ゼミで学んだプログラミングの知識を活かせる仕事がしたい」と話しました。
また商学部3年の中村紀蝶さんは「いつもより緊張せずに説明することができた。子どもたちが真剣に、楽しそうに学んでくれて嬉しかった。人の前に立ってやることはいい経験になる。team.csvのようなボランティア活動は、自分のためにも人のためにも、社会貢献にもなるので続けていきたい」と話しました。
今回参加した西日本新聞「こども記者」の記事は、西日本新聞こどもタイムズのコーナーに掲載される予定です。