📮KURUME LETTER
三井中央高等学校で高大連携による教育の魅力向上プロジェクト開始
三井中央高等学校は、創立60年、西鉄甘木線北野駅から徒歩7分の場所に位置し、久留米市、小郡市、朝倉市、大刀洗町でつくる組合が運営する公立の女子校です。
少子化に伴う生徒数の減少、厳しい財政状況と校舎の老朽化などの状況を踏まえ、2026年3月に閉校する方針となり、今年2023年4月の入学者を最後にそれ以降は新入生の募集を止めることになっています。
三井中央高校は、平成30年度生は入学定員120名に対して65名の入学でしたが、学校力を高め「選ばれる学校」として、令和4年度入学生は106名の入学生を確保し、少子化の中で頑張っている女子高です。閉校までの3年間を、生徒や教職員にとって意義のあるものにしようと久留米大学と連携して、教育の魅力向上プロジェクトを開始しました。これは、大学教授が関わって、高校生と高校教員に大学の学び方を体験してもらい、生徒たちが幅広い視野を養うことや、教師にとっても今後の教育活動にも活かせるようにという狙いもあります。
今年度は文学部の安永悟教授がリーダーとなり、心理学の方法を用いて、協同的探究学習を体験する授業が行われました。この授業を行うにあたって、教員に対して事前に2回の研修会があり、この授業をより効果的に届けるために先生たちもしっかりと理解し準備する時間が設けられました。また高校教員からも日頃の生徒とのやり取りでの悩みや、希望などが出されました。
3月8日に行われた授業は三井中央高校の学生(1,2年生)約160名が参加し、安永先生のリードのもとグループに分かれて、自己紹介、他己紹介などのワークをし、その中で「傾聴」や「ミラーリング」といった方法を実際に試しました。
「暗記・再生」型の学習だけでなく、概念的理解や思考のプロセスを重視する「理解・思考」型の学習を強化することで、子ども自身が多様な知識を関連づけて考えたり、他者と協同する過程を通じて自分や他者のもつ多様な既有知識を関連づけ、さらにそれを活かして一人ひとりの子どもが探究を深めていくことが、学習意欲の向上、さらには主体的な人生を送ることにも繋がるという、大学的な学習方法を体験しました。
この高大連携による教育の魅力向上プロジェクトは、3年をかけて三井中央高校の在校生、教員とともに作り上げるプロジェクトですが、閉校後は近隣の久留米商業高校・南筑高校にノウハウを継承していくことが期待されています。