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学生が地元ドリームスFMから2時間生放送【文学部情報社会学科】
📝学び

学生が地元ドリームスFMから2時間生放送【文学部情報社会学科】

文学部情報社会学科では、毎年、学生によるラジオ番組を制作し、公共の電波で放送する取組みを続けています。

これまで、小学生とその家族が互いの思いを伝えあう『家族っていいね』(2013~14)や、昭和を生きたシニアから次世代への声のメッセージを集めた『つなぐバトンー昭和から平成へ』(2015~17)のシリーズを、録音構成番組として放送してきました。3年前からは生放送に挑戦し、『(学生の声を)聴いて!(皆さんの声を)聴かせて!久留米のわかもん、学生ラジオ』というワイド番組を、久留米市のコミュニティFMドリームスエフエム(76.5Mhz)で放送しました。(2018~2020)

今年は、番組名を『ようこそ!なないろハウスへ』と一新し、2時間の番組全体を、久留米大学生が暮らす学生寮「なないろハウス」ととらえ、各コーナーを部屋と設定してドアを開けて訪問していく構成で放送を行いました。シナリオはもちろん、番組ロゴやジングルまで学生が企画制作、練習を重ね磨いた楽しいトークで地域に若さと元気を届けました。

放送の様子
放送の様子
放送の様子
放送の様子
放送の様子
放送の様子
放送の様子
放送の様子

12/18日(土) 13:00~15:00に放送された番組では、講義を受講する情報社会学科の2~4年生20名が7グループに分かれて、各コーナーの企画・取材・構成・パーソナリティなどを担当しました。

 

番組スタート直後は硬さも感じられましたが、徐々に緊張も解け、個性あふれる趣向を凝らしたコーナーそれぞれがテンポよく進行、リスナーの方からの声も紹介しながら、笑いあり涙ありのあっという間の2時間となりました。

学生が制作した番組ロゴ
学生が制作した番組ロゴ

番組名「ようこそ!なないろハウスへ」のロゴを制作した富松拓真さん(3年)は、「放送に参加してくれた留学生など、いろいろな学生が暮らす寮の多様性を「なないろ」の色彩で表現しました。FMラジオで生放送するような貴重な経験ができるのは情報社会学科ならでは。もともと話すのは得意なほうではありませんでしたが、このような授業をとおして、伝えたいことを表現することに楽しさを感じるようになりました。ここでの経験は、いろいろな方面に進むにあたり役立つと思います」と話してくれました。

スタジオ奥で指導する岩坂先生
スタジオ奥で指導する岩坂先生

また、7つ目の部屋「The First Present」のコーナーで、生まれて初めてもらうプレゼントである「名前」のエピソードを宮崎県延岡市の母親と電話中継で涙ながらに紹介した山口美琴さん(2年)は、「自分の名前の由来や14時間かけて大切に生んでくれた母親からの話をラジオの本番で聞いて、緊張もあり、涙があふれそうになりました。声だけというのが心にしみて、音だけだから伝わるラジオの魅力も感じました。特別支援学校の教師をしている母親の背中を見て育ち、自分も夢だった社会科の教師になりたくて教員免許取得を目指し頑張っています。情報社会学科は、今回のような放送制作実習演習など、特別な講義でいろいろな経験ができる楽しい学科。人にものを伝える講義も多く、自然と人前で話すことを鍛えられるので、子どもたちにものを教える際にも役立つと思うし、それ以外の職に就いても生かせると思います」と番組を終え、充実した表情で話してくれました。

指導した岩坂浩子先生は、福岡のラジオ番組のディレクターを経て、子育て時代に地元久留米のコミュニティFMの草創期に携わられ、長年地域に根差したメディアであるラジオ制作にかかわられてきました。

放送を終えて、「今年のメンバーは、半数以上がコロナで入学時から影響を受けた2年生。この授業では大きな声を出す練習もできず、分散で打ち合わせを重ね、みんなぎりぎりまで取材や準備をし、悩みながら今日を迎えました。本番では一人一人が見事に力を発揮してくれて、本当によかったです。渇いた砂が水を吸い込むように成長する姿には感動しました。なかなか人と関わることが少なくなっている今、このような授業をとおして、人とのつながりや仲間という認識ができ、社会の中で自分たちも生きているという実感を得てくれたのではないでしょうか。今日の本番も、上手にしゃべれたかということは問題ではなく、地域のさまざまな年代のリスナーさんへ向けて、等身大の自分たちの言葉で発信ができたことに意味があると思います」と学生を見守る温かい言葉が印象的でした。

岩坂先生を囲んで充実した表情を見せるメンバー
岩坂先生を囲んで充実した表情を見せるメンバー

文系のある御井キャンパスに新たに、本格的な防音設備を備えたメディアスタジオが開設し、学生の経験できる幅が広がりました。学部を問わず使うことのできる施設で、先日お披露目を兼ねたライブ配信が行われるなど、今後さまざまな場面での活用が期待されます。