📮KURUME LETTER
沈黙のグループワーク」によるフィールドワークを実施【文学部情報社会学科】
6月7日、文学部情報社会学科の1年生が、前期開講科目である「フィールドワーク基礎1」(担当:江藤智佐子教授、川路崇博准教授)において、「沈黙のグループワーク」を使った学内フィールドワークの結果を、グループごとに発表しました。
「沈黙のグループワーク」とは、対面で実施するフィールドワークにおいて、コミュニケーションツールとしてチャットを利用することで、言葉を発しないままグループワークを可能にする手法です。新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに、感染対策をしながら従来の対面グループワークを代替する方法として、川路准教授が開発しました。昨年度が初の試みで、今年度が2回目の実施となりました。
「沈黙のグループワーク」では、大学の共通教育インフラとして採用されているGoogle Workspace for EducationのGoogle Chatを利用します。Google ChatはGoogle Workspace for Educationで提供されている他のアプリケーションとの連携が容易で、チャット のテキストデータやGoogle ドライブで共有したファイルを活用して、Googleスライドを使って発表資料を作成することで、グループ内での協同作業が可能です。
学内フィールドワークの様子 コミュニケーションはチャットでまず、学生たちは9つのグループに分かれ、Googleドライブを介して配布された3枚の「Clue(クルー)カード(学内で撮影された画像)」をグループ内で共有しました。次に、フィールドワークで、Clueカードの画像が学内のどこにあるかを探しながら、導き出される仮説は何かを検討しました。この間、グループ内でのコミュニケーションは口頭ではなく、Google Chatを利用しています。
その後も、チャットを使って仮説の検討を重ね、説明資料を作成しました。最後に、導き出した仮説とその根拠などについて発表しました。
情報社会学科では、今後も社会情勢に応じて、従来のグループワークとICTを利用したグループワークのバランスを考慮しつつ効果的な手法を検討していきます。
今年度の新たな取り組みとして、経験者である2年生が、各グループに1名ずつ参加しました。チューターでもある吉岡凜さんと栁井美佑さんは、「先生の話を分かりやすく説明したり、こういう風にやってみたら? と軽く提案したりしました。自分の意見を出さないように、また適度な距離感を保つように心掛けました。1年生が発表する時は、私たちもとても緊張しましたが、堅苦しくないように導入から工夫しているグループがあったり、スラスラと発表ができているグループがあったり、素晴らしかったです」と感想を述べました。