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本学卒業の小説家、界達かたる氏が授業に登壇
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本学卒業の小説家、界達かたる氏が授業に登壇

1月4日に文学部情報社会学科「コミュニケーション演習」にゲスト講師として、本学卒業生の小説家・界達かたる氏が登壇されました。情報社会学科の江藤智佐子教授による2年生を対象にした授業「コミュニケーション演習」は、半年間をとおして対人コミュニケーション能力の獲得を目指しています。情報収集、加工・分析、発信という学科のディプロマ・ポリシーに基づき、社会の諸課題を探究し、主に情報収集力や発信力を身に付けていくものです。

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界達氏(情報社会学科2019年卒)は、大学在学中に小説家としてデビュー、現在は小中学校でICT支援員(※1)をする傍ら執筆活動を行っており、昨年12月に新刊『十五の春と、十六夜の花 -結びたくて結ばれない、ふたつの恋-』を刊行されています。

界達氏は小説を書き始めた中学時代のことや、大学で学んだことや考えていたこと、それらがどのように今の自分に結び付いているかを話されました。

情報社会学科の「情報を収集し、加工・分析し、発信する」ことは小説に通じるものがあると思い学科を選択されたことや、図書館司書の学びが文献調査や情報収集において現在の仕事にとても活きていること、情報社会学科は専門性がないように感じるかもしれないがどの仕事にも通じる普遍的な能力が身に付くと捉えていることなど、進路や将来を考える学生たちにとって勇気付けられる内容でした。

 (※1) ICT支援員とは、それぞれが担当するエリアの小学校・中学校・高校に出向いて、児童や生徒、教職員等が使用しているICT機器の使い方等について支援し、学校教育現場におけるICT機器活用・ICT教育推進のサポートを行う人材

講演
講演

実際に教職や図書館司書を学ぶ学生たちも多く、「レポートを書くコツはありますか」「小説の仕事でスランプや嫌なことはありますか」「漫画やアニメ、ドラマに展開されることを意識して小説を書くことはありますか」「休みや気分転換はどうされていますか」「作品はアナログ、デジタル、どちらで読んでほしいですか」など、活発に質問の声が上がり、界達氏は質問のひとつひとつに丁寧に答えていました。

小説家は制作作業は一人でも、企画や出版、契約などに関する部分では出版社や編集者、そして取材対象者などと対話する場面も多く、コミュニケーション能力もとても大切だという話もされました。よいコミュニケーションのためには、他者への想像力を働かせること、感情だけに頼らず論理的思考を根拠にして自分の言葉に説得力を持たせることが重要であると述べられ、「コミュニケーション演習」の授業に集った学生たちのなかには熱心にメモを取る姿も見られました。界達氏自身が多くの物語を読み、そして創作することで、そういった力を磨かれてきたということが伝わり、小説を読んでみようとあらためて思った学生もいたのではないでしょうか。

活躍されている卒業生から直接話を聞けることは、参加学生たちにとってもよい刺激となりました。

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▼界達かたる(かいたつ・かたる)
1996年生まれ。熊本県出身。 久留米大学文学部情報社会学科卒。
大学在学中に『少女から刺されたナイフの傷は浅い』で小説家デビュー。
その後、主に青春小説、ミステリー小説などを発表。
2022年12月末に7冊目となる小説『十五の春と、十六夜の花 -結びたくて結ばれない、ふたつの恋-』を上梓。
 official site(https://katalchemys-house.tumblr.com/