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社会福祉学科 卒業生の活躍(Vol.5)「ソーシャルワーカー」
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社会福祉学科 卒業生の活躍(Vol.5)「ソーシャルワーカー」

久留米大学文学部社会福祉学科の学生は毎年約6割の学生が社会福祉に携わる仕事に就いています。そのため、卒業生の多くが、社会福祉施設、医療機関、行政、教育、民間企業等の第一線で活躍しており、卒業生同士のネットワークも強固なものとなってきています。ここでは久留米大学文学部社会福祉学科で社会福祉を学び、福祉、医療、行政、民間企業等で活躍している卒業生を紹介していきます。

片岡希望さん(平成21年卒業)

一度きりの人生,何事にもチャレンジ!

ずっと夢だった青年海外協力隊。悩んだ結果,専門職のソーシャルワーカーに応募。これまで学んだこと,ソーシャルワーカーの経験を生かして,地域の特性に合わせたコミュニティの発展に貢献したいと思っている。

職歴

平成21年4月~平成27年1月介護老人保健施設の支援相談員として勤務。平成27年3月から約2年間青年海外協力隊の一員としてタイのコンケン高齢者福祉開発センターのソーシャルワーカーとして活動。平成29年6月よりミャンマーのケアギバー職業訓練校の現地スタッフとして勤務している。

インタビュー

Q.大学で社会福祉を学ぼうと思ったきっかけは何ですか?

父は長年、生活保護のケースワーカーをしていました。その影響もあり、中学生の頃から「福祉の仕事に携わりたい!」と考えていました。支援の入り口から関わりたいと思い、相談業務を主とする社会福祉士を目指し、大学に進学しました。

Q.実際に社会福祉学科に入学してみていかがでしたか?

高齢者分野は介護保険制度がメインですが、生活保護法や年金制度、障害者に関する法律など様々な知識が必要です。大学で学習したことはとても役立ちました。

Q.卒業して介護老人保健施設で5年間,支援相談員として働かれましたね?実際に現場で働いてみていかがでしたか?

介護老人保健施設は在宅復帰を目的とした介護保険施設です。家族の問題はそれぞれありますが、ほとんどの高齢者は在宅復帰を希望してます。自宅に帰る為には、一つひとつの課題を医師、看護師、理学療法士、作業療法士、介護士、管理栄養士で話し合い、解決していかなければなりません。施設内外の連携・調整が必要です。多職種協働のおかげで、様々な知識を得ることができました。何よりも、在宅復帰となった本人と家族の喜んだ顔を見れたときは、この仕事に就くことができたことを幸せに思いました。

Q. 青年海外協力隊の一員としてタイに派遣されソーシャルワーカーとして働かれましたね?実際、どのようなことをされていたのか教えていただけますか?

タイの東北地方に位置するコンケン県の高齢者福祉開発センターで活動していました。主な活動は、同僚ソーシャルワーカーのサポート、来所高齢者へアクティビティを提供、住宅改修のアドバイス等です。タイは貧富の差がとても激しいです。日本人に知られているきらびやかな首都バンコクと地方では、目を疑いたくなるほど差があります。バンコク在住の日本人と話をすると、「タイにボランティアなんて要らないでしょう」と言われます。そんなことはありません。現実にひと月600バーツ(日本円約2000円)の手当だけで生活している高齢者が沢山います。そのように支援が行き届かない、支援がない高齢者のために、高齢者分野の青年海外協力隊は奮闘しています。

Q. 言葉や文化の違いなど大変なこともあったのではないですか?

タイ語はとても難しいです。ソーシャルワークには「話す」能力と「聞く」能力が重要です。思いが伝わらず悔しいことも多々あります。しかし、周囲の人たちは私の拙いタイ語を一生懸命聞いてくれ、理解しようとしてくれました。文化の違いで驚くことばかりでしたが、「日本と比べない」をモットーに過ごしてました。今では抵抗なく、手で食事をし、虫も食べ、タイ人の無茶振りに臆することなくいつでもどこでも踊れるようになりました。

Q.これからの目標をお聞かせください。

タイは日本より豊かではありません。しかし、心は日本より豊かだと感じました。日本が手本とすべきモノがタイにはありました。タイのボランティア制度(民生委員みたいなもの)、コミュニティの力、家族や親戚の力などタイで学んだことを参考に、地域の特性に合わせたコミュニティのシステムを創りたいと思っています。助け合いが主な目的ですが、高齢者だけでなく、障害者、児童等、自分の力で訴えることができない問題を抱えている人を発見できるシステムになれば、と考えてます。

Q.後輩たちにメッセージをお願いします。

日本を外から見ることで、日本の素晴らしいところ、足りないところが見えました。社会福祉分野は先進国に目が向きがちですが、途上国には今の日本に無いものも沢山あります。地域の繋がり、家族関係、インフォーマルサービス、そして何事も全力で楽しむ力。私はボランティアとしてタイに来ましたが、学ぶことが多かったです。皆さんも久留米大学で「社会福祉」を勉強して海外から今の日本を見てみませんか?そのうえで日本の社会福祉を発展させていきしょう!