📮KURUME LETTER
ADHD児のための夏期治療プログラム「くるめSTP」を開催
8月17日から22日までの6日間、御井キャンパスにおいて、ADHD児のための夏期治療プログラム「くるめSTP(くるめサマー・トリートメント・プログラム)」を開催しました。今年度は、小学校2年生から4年生までの12名が参加。子どもたちは6日間にわたり、スポーツや学習、レクリエーションなど、さまざまな活動に取り組みました。
くるめSTPは、ADHD(注意欠如・多動症)と診断された知的障害のない子どもたちを対象とした、行動療法をベースとする夏期集中治療プログラムです。学校や家庭でよりよく生活できるよう、問題解決スキル、ソーシャルスキル、学習スキル、スポーツスキルなどの向上を目指しています。また、活動を通して「できた」という経験を積み重ね、自信や自尊心を育むことも目的としています。
「できた!」を積み重ねる6日間
プログラムは朝の会から始まり、スポーツ活動や学習の時間、レクリエーションなど、一日を通してさまざまな活動を行いました。
スポーツでは、サッカーの練習や試合を通して、競技の技術だけでなく、ルールを守ることや仲間と協力することなど、集団の中で必要となるスキルを学びました。
学習の時間には、プリント学習や教えあい学習、美術などに取り組み、それぞれの課題に集中して取り組むことや、決められた時間の中で課題を終えることなど、一人ひとりの目標に合わせた活動を行いました。
また、活動の節目には「ポイントチェック」を行い、子どもたちができたことをスタッフが具体的に伝えました。一つひとつの「できた!」を積み重ねることで、子どもたちが自分の成長を実感し、自信につなげていくことを大切にしています。
最終日は、レクリエーションやお楽しみ会、映画鑑賞などを楽しみながら、6日間の活動を振り返りました。最後には表彰式も行われ、プログラムを締めくくりました。
多職種連携で子どもたちを支える学生スタッフ
くるめSTPでは、医師、看護師、教員、公認心理師、臨床心理士など、さまざまな専門職が連携して子どもたちを支援しています。本学の心理学科・看護学科の学生もスタッフとして参加しました。
特に心理学科の学生スタッフは、約80時間の事前研修を受けて参加。子どもたちと6日間を共に過ごし、スポーツや学習、レクリエーションなどの活動に携わりました。また、子どもたち一人ひとりの様子を観察し、スタッフ同士で情報を共有しながら、その日の活動を振り返りました。
心理学科 学生スタッフのコメント
授業でADHDについて学ぶ中で、子どもによって個人差があることはわかっていたが、実際に接してみて、こんなにも一人ひとり個性が違うのだと実感した。その子に合った関わり方を考えることが大切なのだと学んだ。
今年3年目の参加。1年目は自分のことで精いっぱいだったが、今回は他のスタッフのサポートもしながら、少し広い視野で活動できるようになった。子どもたちが目の前で成長していく姿を見ることに大きなやりがいを感じる。また参加するたびに、自分自身にも新しい課題が見つかり、自分の成長を実感することもできた。
将来は、教員や公認心理師、臨床心理士、スクールカウンセラーなど、子どもたちと関わる仕事に就きたい。くるめSTPでの経験は、子どもたちへの理解を深めるだけでなく、将来につながる貴重な学びの機会になった。
看護学科 学生スタッフのコメント
将来は小児科を希望しており、実際にADHDの子どもたちについて学びたいと思い、参加した。医療部会のスタッフとして、給水や食前の手指消毒など、子どもたちの体調管理や衛生管理のサポートを行った。
最初は、ルールを守れなかったり、なかなか輪の中に入れなかったりして減点されていた子どもが、日を重ねるにつれてルールを守れるようになり、どのような行動が加点につながるのかを理解して、積極的に取り組むようになっていく姿が印象に残った。子どもたちの変化を間近で見ることができ、成長を感じた。
今回、くるめSTPに参加して、薬物療法だけではなく、行動療法のプログラムを通して集団の中で学ぶことの大切さを実感することができた。将来、小児科で子どもたちと関わるうえでも、今回の経験を生かしていきたい。
2005年から続く「くるめSTP」
くるめSTPは、小児科学講座前主任教授の山下裕史朗医師が2005年にスタートしたプログラムです。本学の医療・心理・教育の専門職や学生に加え、久留米市教育委員会や久留米市立小学校の教員など、地域の教育関係者とも連携しながら活動を続けてきました。こうした多職種・地域との連携は、本学の「文医融合」を体現する取り組みの一つとなっています。
また、過去に学生スタッフとして参加した卒業生が、卒業後もボランティアとして活動に戻ってくるなど、長年の活動を通してつながりが受け継がれています。
久留米大学は今後も、地域のさまざまな機関と連携しながら、子どもたちの成長を支える取り組みを続けていきます。